肺がん
このような症状に要注意!
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咳や痰
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発熱
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胸の痛み
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息苦しさ(呼吸困難)
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食欲不振
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体重減少
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血痰
上記の症状の中でも、肺がんの症状として代表的なのは咳と痰です。
しかし、肺がんの進行場所によっては、特徴的な症状が出ないことがほとんどです。
2週間以上の連続的な咳や痰や、血痰が出た場合は、肺がんの可能性も考え、早めに当院の診察を受診しましょう。
肺がんとは
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肺がんとは、気管支や肺胞の細胞ががん化したものです。
私たち人間の身体は、約60兆個の細胞からできています。それらの細胞は、細胞分裂を行い、日々新しい細胞へと入れ替わっています。その細胞分裂の時に、遺伝子に対して何かしらの原因で傷が付いた場合、増殖スピードが異常に早い細胞が発生します。通常はその異常な細胞を除去する機能が働きます。しかし、その機能を逃れて増殖を続けることで、身体に害を与えるがん細胞が発現してしまいます。そのがん細胞が肺の肺門部(肺の入口の太い気管支の部分)と肺野部(気管支がさらに細かく分かれていく肺の奥の部分)において増殖してしまうのが、肺がんです。
また、肺がんは、がんの組織型によって「小細胞肺がん」「非小細胞肺がん」の2つに分けることができます。「小細胞肺がん」は主に小細胞がん。「非小細胞がん」は、主に腺がん・扁平上皮がん・大細胞がんが分類されます。
肺がんの検査方法
CT検査
肺がんの恐れがある場合、まずは胸部X線検査(レントゲン)を行います。そこで異常が発見された時、胸部CT検査を行い、より立体的にがんの有無や詳細を調べます。
胸部CT検査は、頭から足まで身体全体を調べることが可能です。また、肺がん・肺結核・気管支拡張症など、小さなものまで発見することができるため、がんの効率的な治療ができるようになり、治癒する確率が高くなります。さらに、胸部X線検査と比較して、胸部CT検査の方が早期のがんを見つけることに長けていることが特徴です。
【CT検査による被ばくに関して】
放射線によって解析するCT検査において、被ばくを気にされる方がいらっしゃるかと思います。しかし、CT検査によって身体に受ける放射線量はごく少量であり、1回の検査で受けた放射線による細胞の障害は、通常数日で修復されます。このことから、CT検査で被ばくを受ける可能性は限りなく低いとされています。
詳細は下記よりご覧いただけます。
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胸部X線検査
X線検査は、別名でレントゲン検査と言います。胸部においてX線検査する際は、立位で胸部の正面や側面からX線を当てて撮影します。人体の骨や脂肪、水分などの組織の違いによって、人体に照射したX線の強弱の差異を画像として出力し、それぞれの組織の状態を画像ベースで確認できる方法です。X線が通過しやすい水分や脂肪などは黒く写り、X線が通過しにくい骨などの組織は白く写ります。このことから、肺がんを発症している場合、がん細胞が転移している箇所が白く写ることから、がん細胞の進行状況を画像で確認することができます。
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CT検査 | レントゲン検査 | |
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結果の見え方 | 3次元 | 2次元 |
検査時間 | 5分 | 15~60分 |
検査の明細度 | 病床の位置や骨の内部など、全てが手に取るように分析できる | 水平方向の状態が全て重なって見えることから、色の濃淡で前後の位置を判断することしかできない |
検査結果の見え方 | 患者様も判断できる | 専門的知識が必要 |
検査できる範囲 | 全体的な検査はもちろん、限定的な部位の詳細を検査できる | 全体的な検査ができる |
検査の仕組み | 多方面からのX線照射 | 一方面からの磁力と電波による解析 |
空気と骨の区別 | できる | できない |
結果の描写 | 非常に細かい | 細かい |
早期肺がんはCT検査でしか発見できません
早期肺がんの発見を逃したら、抗がん剤治療(定期的な通院)となります。仕事との両立がきつい状態となってしまいます。肺がんはCT検査による早期発見が重要です。
肺がんの治療方法
肺がんの治療方法は下記の3つに大きく分けることができます。また、治療方法はがんの病期によって変わります。
主に、「Ⅰ期」「Ⅱ期」・「Ⅲ期の一部」が手術の対象となり、「Ⅳ期」は身体の他の部位にがんが転移している可能性があるため、主に薬物療法となります。
非小細胞肺がんの場合
治療方法 | |
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Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 |
●手術(開胸手術・胸腔鏡下手術) ●放射線治療 (定位放射線治療・体幹部位放射線治療・強度変調回転照射法・3次元原体照射法) ●薬物療法(※ⅢB期のみ) |
Ⅳ期 | ●薬物療法 |
小細胞肺がんの場合
治療方法 | |
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Ⅰ期 Ⅱ期 Ⅲ期 |
●手術(開胸手術・胸腔鏡下手術)(※ⅠA期の3cm以下の小細胞がんのみ) ●放射線治療 (定位放射線治療・体幹部位放射線治療・強度変調回転照射法・3次元原体照射法) ●薬物療法(※Ⅱ期以上) |
Ⅳ期 | ●薬物療法 |
検査費用(一旦なし)
CT検査 | 3000円(3割負担) |
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肺がん検診で異常を指摘された方へ
肺がん検診を受診した方の中でも、異常を指摘された方は、必ず2次検診(精密検査)を受診しましょう。
厚生労働省の「平成29年度地域保健・健康増進事業報告」によると、平成28年度に肺がん検診を受診した方は全国で4,075,104人、その中で要精密検査となった方は62,193人(1.53%)、さらにその中で肺がんが発見された方は1,381人(2.22%)でした。
実際に肺がんと診断された方は少ないですが、2次検診(精密検査)を受診していなければ、自分が肺がんであることも気付くことができません。
要精密検査と申し受けされた方は、必す医療機関を受診しましょう。
福岡市の肺がん検診の現状

以上のように、過去10年間の福岡市内の肺がん検診の受診率は下降傾向にあります。
また、福岡市において肺がん検診にて要精密検査と申し受けされ、精密検査を受診された方の割合は84.6%でした(令和1年におけるデータ)。
当院で行う肺がん検診の2次検査
当院では、CT検査において2次検診を受診頂けます。
市の肺がん検診で胸部X腺検査(レントゲン検査)を受診し、精検要請(2次検査)を申し受けた方は、より精細な検査を行えるCT検査を受診しましょう。
検査で分かる疾患
CTで分かる疾患
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胸部CT検査:肺がん、肺結核、気管支拡張症、気胸、肺動静脈瘻、心臓疾患などの疾患や病変が、小さいものまで発見することができます。
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腹部CT検査:肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓などを調べることができるので、腹部の臓器に発症するがんを発見することができます。
ご不安な方は当院へお越しください
少しでも不安な症状のある方、肺がん検診で要精密検査と申し受けされた方は、是非当院へお越しください。