睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群
上記の症状が見られる方は睡眠時無呼吸症候群である可能性があります。
しかしながら、この病気を患っていても、患者様本人に自覚は無く、一緒に寝ている方に言われて気付くということは少なくありません。ですので、少しでも気になる症状がある方は一度ご来院ください。
睡眠時無呼吸症候群は睡眠時に呼吸が止まってしまう病気です。医学的には10秒以上息が止まっている状態が無呼吸とされており、平均して1時間に15回以上の無呼吸状態が確認できた場合に睡眠時無呼吸症候群であると診断されます。
日本における睡眠時無呼吸症候群患者は約500万人いると推測されていますが、治療を受けているのはおおよそ1割程度です。この病気は、放置すると様々な合併症を引き起こす可能性のある病気です。しかしながら、治療によって劇的な改善を見込めるものですので、早めに医師に相談し治療を受けましょう。
睡眠時無呼吸症候群を引き起こすことで、睡眠中に何度も息が止まるため睡眠の質が悪くなり、日中に眠気や身体のだるさを感じることがあります。また、血液中の酸素が少なくなることで、血管に負担がかかり脳卒中、狭心症、心筋梗塞などの合併症を引き起こす可能性も高まります。
睡眠時無呼吸症候群が起こる原因は、閉塞型、中枢型、混合型の3つに分類されます。
それぞれ固有の特徴があります。また、原因ごとに有効な治療方法も異なるため医師に相談し適切な治療を受けましょう。
閉塞型睡眠時無呼吸症候群は、あごが小さい、睡眠薬、飲酒などが原因となり起こります。口や鼻から肺の入口である声帯にいたる空気の通り道が部分的または完全に閉塞してしまい無呼吸になります。また、肥満の方で、脂肪が空気の通り道を圧迫してしまい無呼吸となってしまうケースもあります。
閉塞型は、3つの中で最も多くの割合を占める病型です。日本人の男性は3割、女性は2割が罹患していると言われています。
中枢型は閉塞型とは違い、空気の通り道が塞がることが原因ではなく、中枢神経系に何らかの障害が生じています。そのため、脳の呼吸中枢で呼吸抑制が生じたり、呼吸を促す信号が正常に伝達されなくなることで無呼吸症状が引き起こされます。中枢型は、他の病型よりも発症率は低いですが、脳梗塞などの疾患やストレスとの関連があると考えられているため、精密検査を受けることを推奨いたします。
混合型は、閉塞型と中枢型が組み合わさったものを指します。この病型はたいてい閉塞型と同様の治療が行われます。発症率は中枢型より高いですが閉塞型よりは低い傾向にあります。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法は重症度や原因に応じた治療方法の選択が必要になります。また治療方法に加えて、生活習慣の改善などご自身での対策も重要になります。
当ページでは、代表的な3つの治療方法を紹介いたします。是非ご参考にしていただき治療や対策のご参考にしてください。
CPAP療法は、日本語で経鼻的持続陽圧呼吸療法と言われるものです。この治療方法は閉塞型睡眠時無呼吸症候群に有効であるとして現在欧米や日本国内で最も普及している治療方法です。原理としては、鼻にチューブが付いたマスクを装着することで、圧力をかけた空気を送り続け気道を閉じないようにして睡眠時の無呼吸を防ぎます。
マウスピースは、下あごを上あごよりも前に出すように固定することで気道を広く保ち、いびきや無呼吸の発生を防ぐ治療方法です。この治療方法は、マウスピースを装着するだけなので手軽に行えますが、すべての症状に効果があるわけではなく、症状が軽い方には効果が見込めますが、重症の方には治療効果が不十分であると考えられます。ですので、診察を受け、重症度をきちんと把握してから治療を開始しましょう。
※当院では対応しておりません。
睡眠時無呼吸症候群の治療法には、手術によって改善を目指すケースがあります。
手術には、あごの骨を削り気道を広げるものや喉の奥にある扁桃を切除するなどいくつかの種類があります。種類によっては、経過観察や事前準備が必要なものもあるため、医師とよく相談し、ご自身に合った方法を選択することを推奨いたします。
※当院では対応しておりません。
睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣を改善することで予防できる可能性があります。また、治療の開始後も生活習慣の改善を求められるケースが多いので、予防したい方、治療したい方共に是非参考にしてください。
睡眠時無呼吸症候群の原因の一つとして肥満が挙げられます。そのため、運動を習慣化することで肥満を解消・予防することが必要になります。おすすめの運動は、少し早めのウォーキングを30分以上、週に3回以上行うことです。しかしながら、運動習慣がない方は短時間の散歩やストレッチなどから始めていきましょう。
アルコールには筋肉を緩める作用があります。筋肉が緩むことで、いびきをかいたり呼吸が止まったりといった症状が強まる恐れがあります。ですので、就寝前の飲酒は控えましょう。
仰向けで寝ると舌が喉に落ち込みやすくなり、気道が狭くなってしまいます。それとは逆に気道を確保しやすい姿勢は横向きです。また、枕の高さも重要であり、枕が高すぎると気道が圧迫され呼吸しづらくなってしまいます。適した高さはそれぞれ異なるため自分に合った枕を選びましょう。
結論として、睡眠時無呼吸症候群には死亡リスクがあります。この病気の症状として、日中の眠気やだるさなどが代表的に知られているため、さほど危機感を持たれていない方が多くいらっしゃいます。しかしながら、呼吸が止まることで身体に酸素がいきわたらなくなり、高血圧や脳血管疾患など悪影響を及ぼします。場合によっては、突然死につながる可能性が十分に考えられます。実際に睡眠時無呼吸症候群を放置した方の死亡率が38%であるというデータもあります。このことからも軽視してはいけない病気であることが分かります。誰かに指摘された、もしくは症状が確認でき次第、早急に医師に相談しましょう。
当院では、待ち時間を短縮するために24時間Webから予約できるシステムを導入しています。是非ご活用ください。
現在の経過、症状、生活習慣などについて詳しくお聞きさせていただきます。診察前に患者様の自覚症状などもお伝えいただけますと診察をスムーズに進めることができます。是非ご協力いただけますと幸いです。
スクリーニング検査は、睡眠時無呼吸症候群なのか、それ以外の病気なのかを判断するための検査です。指先にセンサーをつけ、血液中の酸素の状態と脈拍数を測定することで、無呼吸になっているか判断することができます。この検査は自宅で簡易的に実施することが可能です。
簡易無呼吸検査は無呼吸症状の有無と重症度を判定するための検査です。
この検査は指先・呼吸センサーをつけ、睡眠中の呼吸の状態を測定します。これにより、1時間あたり10秒以上の無呼吸・低呼吸の回数を測定します。
こちらの検査も自宅で行うことが可能です。
ポリソムノグラフィ検査は睡眠時無呼吸症候群の診断において最も精密な検査方法です。脳波、筋電図、心電図、呼吸、血液中の酸素など様々な生体信号を測定する検査です。
この検査により、1時間辺りの10秒以上の無呼吸・低呼吸の回数や睡眠時無呼吸症候群の病型(閉塞型、中枢型など)、酸素の低下状態、睡眠の質などを調べることが可能です。
この検査は、様々なセンサーが必要になるため専門の検査施設などに入院して行います。
上記の診察、検査の結果を通して一定の基準をもって無呼吸症候群の診断と症状の判定をいたします。また、症状や重症度によって適切な治療を行っていきます。
睡眠時無呼吸症候群は自覚症状が少ないため、治療を出来ずに放置されてしまうケースが多い病気です。いびきや無呼吸を指摘された方や日頃寝ても眠気がとれないなどでお困りの方は是非当院までご相談ください。