『長引く咳』『喘息』の検査はどんなものがあるのでしょうか?呼吸器内科の検査について。

2023.11.26

こんにちは!院長の猪島です。

福岡市内では呼吸器内科が少ないので、ちょっと呼吸器内科で行う検査についてご紹介したいと思います。

うちの呼吸器内科はよく『咳』でお困りの患者さんが多く受診されます。

一般的によく内科で処方いただいている咳止めなどの内服をしてもなかなかとまらない長引く咳、という症状で困って、インターネットで『呼吸器内科』を検索して受診されます。

コロナが流行してからは『咳を外ですると周りの目が冷たい』『職場で上司に帰宅するように言われた』『学校で咳をしにくい』など、咳が原因で日常生活に支障をきたすと訴える患者さんが増えました。たとえ、人にうつさない『喘息」が原因でも、です。

また、咳をすることは肉体的にとっても精神的にも負担が来ます。夜に咳で眠れないとなるとなおさらです。

そこで、咳が出るときにどのような病気が考えられるのか、医学的にうちのクリニックで行っている検査を含めて提示したいと思います。

呼吸器内科医として考えることは、咳の原因を医学的に探っていくことです。

検査のまず第一段階として、肺の中に何か問題があって咳がでているかどうか、を探ります。方法は胸部レントゲンと胸部CTになります。よく、胸部レントゲンだけで肺の中の全てがわかる、と思われていますが、胸部レントゲンで肺の中の全てはわかりません。呼吸器内科を専門で30年近く診療している私でも、正直わかりません。胸部レントゲンでわかることは、大きな影だけです。私が患者さんにご説明するときには、胸部レントゲンで異常がない時は『胸部レントゲンでは異常がありません』と嘘がないようにご説明します。決して、『肺に異常はありません』とはいいません!『言葉のあや』みたいなものですが。胸部レントゲンでは、心臓や肺の下にある肝臓などの陰影が重なるために、肺の影が隠れて見えにくいことが多々あるのです。胸部レントゲンでわかる疾患は『肺結核症』『大きな肺がん』『大きな肺炎』『気胸』だと思っていいと思います。

実際に、胸部レントゲンでみつからないい肺の疾患が、胸部CTにて鮮明にわかることがとても多いです。具体的な病名で言うと、『気管支肺炎』『肺がん』『気胸』『胸水』『間質性肺炎』といった病気です(いずれそれぞれの病気についてもお示ししたいと思います)。『気管支喘息』が疑われる場合も、胸部CTの所見からわかることがあります。これもレントゲンで見られない所見です。

患者さんを診察してから胸部レントゲンだけで終了するか胸部CTまで必要かを決めるようにしております。

この第一段階の画像検査で、次の検査がきまります。肺炎などがあれば『血液検査』などが行わることになりますし、気管支喘息が疑われたら『肺機能検査』で気管支喘息かどうか診断を付けていくことになります。病気によっては、大学病院などにすぐに紹介することになります。心臓疾患が考えられる場合は、心筋梗塞がないかどうかの血液検査や心電図を行います。うちのクリニックは、院内で肝機能や腎機能や心筋梗塞があるかどうかなどの血液検査が迅速にできるため、患者さんは疾患に応じた病院にご紹介しております。胸部CTは肺の中だけでなく『甲状腺』『乳腺』もわかるため、そこもきちんと診断してご紹介します。『骨』も見えるんですよ!骨折しているかもわかります。うちのクリニックのCTは患者さんに優しい低線量CTなので、私自身も患者さんにおすすめしやすいです。普通の病院で取るCTの10分の一以下の被曝量です。決してお金儲けのためではなく、的確な診断のために胸部CTを必要に応じてまずは画像検査から始まります。

私自身の経験が、貯金も一切なかった私が開業するときに、自分のクリニックで高価なCTを必ず導入しようと思ったきっかけです。それは、今年6月に亡くなった母です。うちの母は、タバコも吸わないしお酒も飲まず健康体の人間でした。毎年検診で胸部レントゲンは撮影して胃の検査も乳がん検診もしていました。しかし、突然大きな肺の中の陰影がいつも受診していたクリニックのレントゲンでみつかって、進行した形の肺がんであることが精査にて判明しました。発見から2年後に亡くなりました。

肺の病気は、胸部レントゲンでは早期発見はできません。このことを是非皆さんに分かっていただきたいと思います。肺がんの治療は早期発見が非常に大事です。『肺がん検診』という名のもとの胸部レントゲン撮影にいつも違和感を感じています。『結核検診』『進行した肺がん検診』と言った方が正しいのではないかと思いますが、厚生労働省に仕えている力のないただの開業医としてはここでつぶやくだけに収めたいと思います。

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