肺炎球菌ワクチンについて|ベルいやしの呼吸器内科・内科|福岡市早良区小田部の呼吸器内科

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肺炎球菌ワクチンについて|ベルいやしの呼吸器内科・内科|福岡市早良区小田部の呼吸器内科

皆さんこんにちは!!3月いっぱいまでの駆け込み肺炎球菌ワクチン接種は終わりましたが、制度が変わったので改めて肺炎球菌ワクチンについてお知らせします。

1.肺炎球菌とは?
肺炎球菌とは、通常、鼻やのどの粘膜に存在していますが、免疫力が低下したり、ほかの病気が重なったりすると、肺炎や菌血症、髄膜炎などの重篤な感染症を引き起こすことがあります。主な症状には、発熱、咳、呼吸困難などがあり、特に高齢者や免疫力が低下している人、慢性疾患を持っている人などは、重症化しやすい傾向があります。

肺炎球菌感染症には、抗生物質などの治療が可能ですが、重症化した場合に命にかかわる可能性も高く、予防策としてワクチン接種が効果的と考えられています。

2.どういう人がワクチンを打ったほうがいいの?
①65歳未満の方
 糖尿病、慢性肺疾患、慢性心疾患、慢性肝疾患、アルコール依存症などの基礎疾患をお持ちの方、あるいは、がん、長期間のステロイド治療中、慢性腎疾患・血液透析、リウマチなどの膠原病をお持ちの方など免疫が低下している可能性がある方。

②65歳以上
 基本的にはすべての方が接種したほうがいいといわれています。

3.ワクチンはどんなものがあるの?
現在日本で摂取できるワクチンは以下の3種類があります。
①プレベナー(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン;PCV13)
肺炎球菌の中でもよく見られる13種類の菌株に対して免疫を高める効果があります。後述するニューモバックスと合わせて接種することでより高い予防効果(ブースター効果)が期待されると考えられています。

②バクニュバンス(沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン;PCV15)
プレベナーでカバーしていた13種類の菌株に加えて、追加で2種類の菌種に対して免疫を高める効果があります。こちらも後述のニューモバックスと合わせて接種することでより高い予防効果(ブースター効果)が期待されると考えられています。

③ニューモバックス(23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン;PPSV23)
肺炎球菌感染症の中でよくみられる23種類の菌株に対して免疫を高める効果があります。3.5-4年程度で予防効果が落ちてくるという報告もあり、5年ごとに再接種することも選択枝といわれています。

4.どれをどういうスケジュールで打ったらいいの?
・これまで肺炎球菌ワクチンを打ったことがない方
 ①プレベナーあるいはバクニュバンスを接種
②その後1年以上あけてニューモバックスを接種
・ニューモバックスを定期接種・任意接種で接種したことがある方
 ①前回の接種から1年以上開けてプレベナーあるいはバクニュバンスを接種
 ②その後1-4年以上あけてニューモバックスを接種
  ※その際、最初のニューモバックスの接種から5年以上あけて接種

5.公費助成制度について
現在、日本国内で公費負担で接種できるワクチンはニューモバックスのみです。
公費の対象となる方は
①65歳の方
 ※65歳以上から100歳までの5歳刻みの年齢の方を対象としている国の経過措置は令和5年度で終了となり、経過措置の終了に伴い、令和6年4月1日以降は、65歳の方(65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日までの方)が接種対象となりました。
②60歳以上65歳未満で心臓。腎臓もしくは呼吸器の機能またはヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害がある方(身体障害者手帳1級相当)
です。公費助成の詳細については、各自治体のホームページなどもご確認ください。

参考文献)
1. 65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第4版 2023年3月24日) (jrs.or.jp)
2. 肺炎球菌ワクチン(13価, 15価) こどもとおとなのワクチンサイト (vaccine4all.jp)
3. 肺炎球菌ワクチン(23価) こどもとおとなのワクチンサイト (vaccine4all.jp)
4. mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/haienkyukin/index_1.html