RSワクチン接種について|ベルいやしの呼吸器内科・内科|福岡市早良区小田部の呼吸器内科

〒814-0032 福岡県福岡市早良区小田部7丁目16-1
092-984-0101
ヘッダー画像

院長ブログ

RSワクチン接種について|ベルいやしの呼吸器内科・内科|福岡市早良区小田部の呼吸器内科

皆さんこんにちは!院長の猪島です。最近RSウイルス感染症がはやっていますが、そのワクチンが新しくでております。

RSウイルスは日本を含め世界中に分布しているウイルスで、2歳までにほとんどの子どもがかかる、代表的な風邪のウイルスです。
一度かかったら抗体ができてかからなくなる、といったことはなく何度も感染してしまいます。
軽い風邪ですむことも多いものの、乳幼児の肺炎の50%、急性細気管支炎の50~90%がRSウイルスとも言われており、つらい症状を起こすこともあります。
成人がRSウイルスに感染した場合、風邪のような症状であることが多いことから、RSウイルスに感染したと気付かないことがあります。というよりも「風邪ひいたなぁ」といっている場合、RSウイルスが原因のこともある、といった感じでしょうか。

しかし、基礎疾患のある方や高齢者においては、 RSウイルス感染症により重症化のほか、基礎疾患の重篤な症状を引き起こす場合もあることもわかっています。
アメリカでは年間推定520万人が急性呼吸器感染症を起こし、47万人が入院し3万3千人が死亡しているという報告もあります。

日本でも毎年60歳以上の成人でRSウイルス感染症によって約63,000人の入院と約4,500人の院内死亡が推定されています。
それにも関わらず、RSウイルス感染症に対して確立された専用の治療法はなく、症状を緩和する対症療法が中心となっています。

ワクチンの効果については以下の3つが主に上げられます。

・RSウイルスに感染するのが約4分の1~5分の1になる
・RSウイルスによる入院が約5分の1になる
・酸素や人工呼吸を必要とするほど重症になるのが約5分の1になる

アメリカではインフルエンザ感染により2022~2023年シーズンだと36万人が入院し、2万1,000人が死亡しています。
RSウイルスが16万人入院し、1万人死亡していることを考えると、RSウイルスはインフルエンザと同程度かやや上の「脅威」といえるでしょう。

また、RSウイルスに治療薬がないことを考えると、呼吸器や心臓などのリスクがある方や高齢者は接種を検討してもよいでしょう。

RSウイルスワクチン「アレックスビー」は1回0.5mlを筋肉注射するワクチンです。

主な副反応としては
添付文書に出現頻度が10%以上のものとして

・疼痛(注射部位)
・頭痛
・筋肉痛、関節痛
・疲労

RSウイルスワクチン「アレックスビー」は、1回接種であり、筋肉注射となります。不活化ワクチンなので、新型コロナワクチン以外のどのワクチンとも接種間隔をあけずに接種することができます。
(新型コロナワクチンは2週間あければ接種することができます)
日本では初めてのRSウイルスによる感染症を予防する高齢者向けのワクチンです。適応は60歳以上で一度だけ注射です。

価格は高く26000円です(もともとの価格が高いのです、、、、)。

ウイルスの感染力は高いので、気になる方はぜひ予防できるものは予防接種を受けましょう!