「最近、寝ても疲れが取れないんです」
診察室でこのようにお話しされる方が、このところ増えています。夏の疲れが出やすい時期でもありますし、季節の変わり目は体調を崩しやすいものです。
ただ、私たち内科医がこの言葉を聞いたときに考えるのは、「お疲れですね」で終わらせてよいのかどうか、ということです。疲労感が続く背景に、検査で見つかる病気が隠れていることが少なくないからです。
今日は、当院で疲労感のご相談を受けたときに、どんな順番で調べているかをご紹介します。
**まず考えるのは「眠りの質」です**
「ちゃんと寝ているのに疲れが取れない」という方で、私が最初に思い浮かべるのが睡眠時無呼吸症候群です。
眠っている間に呼吸が止まったり浅くなったりを繰り返す状態で、ご本人にはまったく自覚がないことがほとんどです。ご家族から「いびきがすごい」「息が止まっている」と指摘されて初めて気づかれる方が多くいらっしゃいます。
思い当たる方は、次の点を振り返ってみてください。
– いびきを指摘されたことがある
– 日中、会議中や運転中に強い眠気が出る
– 朝起きたときに頭が重い、口が渇いている
– 夜中に何度も目が覚める
– 高血圧の治療をしているが、薬がなかなか効きにくい
検査は、まずご自宅でできる簡易検査から始められます。機器をお貸しして、一晩つけて眠っていただくだけです。当院では現在、約90名の方にCPAP(シーパップ)という治療機器を使った治療を行っています。
睡眠時無呼吸は、放置すると高血圧や心臓の病気につながることが知られています。「疲れ」という入り口から見つかることが多い病気なので、最初に確認しています。
**血液検査で確かめること**
次に、血液検査です。疲労感の背景として、次のようなものを一通り確認します。
– 貧血(特に女性では鉄不足が多くみられます)
– 肝臓・腎臓の働き
– 甲状腺ホルモン
– 血糖値、HbA1c
– 電解質のバランス
– 炎症の有無
このなかで、実際に見つかることが比較的多いのが肝機能と腎機能の異常です。どちらも初期には自覚症状がほとんどありません。健診で「少し高いですね」と言われたまま様子を見ている方は、一度きちんと調べておかれるとよいと思います。
甲状腺の機能が低下していると、疲れやすさ、寒がり、体重増加、気分の落ち込みといった形で現れます。「年のせい」「更年期かな」と思っておられた方が、検査で分かることもあります。
**息切れを「年齢のせい」にしていませんか**
呼吸器内科として、もう一つ確認しているのが呼吸機能です。
「階段で息が切れる」「以前より歩くのが遅くなった」を、年齢のせいだと思っておられる方は多いのですが、喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)が隠れていることがあります。
当院では、息を吹き込んで肺の働きを測る検査(スパイロメトリー)や、気道の炎症の程度をみる呼気一酸化窒素(FeNO)検査を院内で行っています。どちらも数分で終わり、痛みはありません。
咳が長引いている方、風邪のあとにいつまでも咳が残る方も、一度お調べになることをおすすめします。
**それでも原因がはっきりしないとき**
ここまで調べて明らかな異常がなく、睡眠や食事を整えてもすっきりしない、という方もいらっしゃいます。
そうした場合に、選択肢の一つとして点滴療法をご案内することがあります。当院では白玉点滴(グルタチオン点滴)などをご用意しています。これらは健康保険が使えない自由診療で、効果の感じ方には個人差があります。
ただ、順番としては保険診療での確認が先だと考えています。原因のある疲れであれば、そちらを治療するほうがずっと確実だからです。点滴は、原因を確かめたうえでの選択肢とお考えください。
**2週間以上続く疲れは、一度ご相談ください**
疲労感は、誰にでもあるありふれた症状です。だからこそ、体からのサインが紛れ込んでいても見過ごされやすいと感じています。
休んでも取れない疲れが2週間以上続くようでしたら、一度ご相談ください。まずはお話を伺って、必要な検査をご提案します。
—
医療法人ベル会 ベルいやしの呼吸器内科・内科
福岡市早良区小田部7-16-1 ツルハドラッグと同じ敷地内
駐車場40台完備
診療時間・アクセスは〔診療案内ページへ〕をご覧ください
ご予約・お問い合わせ:〔 092-984-0101 〕


